安藤百福
安藤は著書「苦境からの脱出」の中で、「蓄財は結果であって目的ではないと一貫して考えている」という。
安藤が日清食品を創業したときも「お金儲けをしたい」という動機からではなく(実際既に事業に成功しお金はそれなりにあった。)、戦後の食料にも不自由する現状を憂えて、「世の中を明るくしたい」と考えたからであったという。
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稲盛和夫
稲盛も著書「心を高める経営を伸ばす」の中で、自分達の利益のみを考えるケースが今非常に多いが、そういう人にはビジネスチャンスは訪れにくいと言っている。
そしてすばらしいビジネスができる人は、相手が儲かるようにしてあげる人で、ひいてはこれがビジネスチャンスになり、自分の利益も生むと言っている。
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南部靖之
南部も著書「自分を活かせ!」の中で、稲盛から「商売の話で儲かりまっせ、というビジネスは長期的にみると全滅している。使命感や正義感を持って取り組んでいるものが成功している。」という話を聞いて、自分の経験から照らし合わせてもそうだと思っている。
自身に持ち込まれる案件でも提案者のエネルギーと人柄はいうに及ばず、「社会の問題点を解決する」意思と使命感があるかを採用の第一ポイントにおいているという。
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小林一三
小林も著書「私の行き方」の中で「自分の計算から商売をはじめること」を戒めている。常に大衆本位の商売におき、自他共に利益する事によって繁盛するとも言っている。
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藤原銀次郎
藤原も「仕事を成功させようとすることは必ずしも金が欲しい、金を儲けようということではない。金が儲からなくても、仕事を創め、仕事が成功すれば人間として非常に愉快なのだ。」と著書「実業人の気持ち」で言っている。
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南部靖之
南部も目標は大きければ大きいほどいい、と言っている。
自分がこうなりたいと思う大きさ以上に、実際になることはないわけだから、どれだけ大きな志を抱けるかがその人の将来を決めてしまうからである。
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雨宮敬次郎
雨宮は自伝で「国を富ますことが自分を富ますことにつながる。」と言っている。
雨宮は釜石をはじめとした製鉄事業や甲武鉄道(現:JR中央線)などの事業を手がけたが、これはまさにまずは国を富ますという発想から自らの代表的事業となったものである。
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利光鶴松
利光も、事業はあくまで希望や理想を追い求めることで、金儲けのための事業ではないという。
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根津嘉一郎
根津は、著書「世渡り体験談」の中でこう述べている。
「事業を経営する究極の目的は決して金を儲けるということではない。国家や社会に裨益(注:利益を得させること)しようする真の目的がなくてはならない。」と言っている。
根津は東武鉄道の再建を引き受けた当初から車代にもならないような薄給しかもらっておらず、給料が目的ではなく、またそうでないからこそ、事業に成功できたと強調している。
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五島慶太
五島も「金儲けなら馬鹿でも阿呆でもする。私は事業がしたいのだ。」と言っていたという。
太田次男著「もう一人の五島慶太伝」によると、周辺住民の世話を徹底的に焼くという信念のもとに、東急線沿線には百貨店や大学のほか、実現には至らなかったが、沿線住民の生活向上のため、質屋、斎場、火葬場、納骨堂まで計画されていたという。
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小倉昌男
小倉が宅急便サービスをはじめたときは「サービスが先、利益は後」をスローガンにしていた。
別に利益がいらないというわけではない。
手間のかかる小口荷物の宅配サービスが利益がでるようになるには、荷物の数が増えなければならない。
荷物を増やすためには、便利さを実感してもらうしかない。
だからサービスの向上なしに、利益の追求はありえないということだった。
社内会議でもサービスレベルについてしか話し合われなかった。
営業所を新設する、集配サイクルを増やす、ドライバーの雇用を増やす、トラックを増やす、配送時間を延長する・・・どれをとっても経費のかかることばかりであったが、これらが十分でなければ、お客様に便利さを実感してもらえない。
やがて、便利さが認知されるにつれ、少しずつ利用者が増え、ついには高収益ビジネスへと変化した。
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藤田田
藤田田は「勝てば官軍」をモットーにしている。
自分が儲けるためには、相手を陥れるような食うか食われるかの修羅場をくぐっているのだ、と言っている。
その一方で、ある人から受けた次の忠告も胸に刻んでいると言う。
「藤田の自分だけを信じる姿勢は悪くない。だが、他人の言うことをすべて疑ってかかることは、行動のエネルギーを削ぎ、無気力に陥る。そんなことでは100年たってもお金儲けはできない。」 |
中内功
中内も「儲ける」ことと「儲かる」ことは違うという。
儲けようと思って株や土地に手を出せば必ず損する。
毎月、自分の決められた商売をやっていれば自然に儲かる。
お客さんに喜んでもらえれば自然に儲かると言っている。 |
本田宗一郎
本田も、「自分が儲けたいなら、まず人に利益を与えることを考えよ。そのあとにオコボレをもらう。これが経営の本質でなければならない。」と言っている。 |