スタートの規模−オフィス、店舗、設備

スタートは見栄えよく?それとも小さく地道に?
会社経営のスタートには店舗やオフィスなどの家賃といった経費もばかにならない。
一方で見栄えよくすることが人材獲得、商売繁盛の秘訣と言う人もいる。
スタートは見栄えよく?それとも小さく地道に?はよく聞かれる質問だ。
偉大な起業家はどうか?今回はこれを取り上げてみる。

▼ 実例

小林一三
小林が昭和10年に渡米し、ニューヨークの百貨店メイシーズの建物が増築を繰り返している様子を見てこう言ったという。
「あのビルはあそこまでが第1期、それから小さく継ぎ足し、あそことあそこが第3期と第4期と四回に渡って拡張している。事業と言うのはこういうように小さいところから仕上げていかねばならぬものだ。アメリカの超一流デパートとして覇をとなえているちゃんと理由がある。きっとあそこの経営者は偉い人だろう。」
実際調査すると小林の推測したとおりだったという。

松本清
松本は松戸に松本薬舗(現:マツモトキヨシ)を創業したとき、薬を仕入れる資金に事欠いたため、お客が薬を買っていくとき、空き箱を回収して、店頭に並べ、品揃えが豊富であるように見せかけたと言う。

安田善次郎
安田の銀行が事業に融資する際も、まず10年を一期として投資し、成績が良好なら、第二期の10年にはさらに投資を増やし、これでも良好であれば、本格的に投資するのを常にしていたという。

森永太一郎
森永がアメリカから帰国し、赤坂溜池に西洋菓子製造所を開いたとき、わずか2坪の作業場だった。
これは森永が技術を学んだケーキ工場のオーナーからの助言を忠実に実行したからである。その助言とは、
「資金はまず手持ちの3分の1でスタートし、軌道に乗ったら次の3分の1を運転資金に使う。そして残りの3分の1は、万一の場合よほどのことがない限り手をつけない。」
日本では人々が見たこともない西洋菓子を販売してもなかなか注文がとれなかった。
マシュマロを和菓子屋に持ち込んでも「石鹸くさい」と言われ取り合ってもらえない。
未知のものの美味しさを認めてもらうのに時間がかかったが、この助言を守り続けたことで、生活に支障をきたすことはなかったという。

浅野総一郎
借金取りに終われる形で上京してきた浅野には元手はなかった。
そこで、浅野が目をつけたのが、「御茶ノ水」のわき水だった。
将軍ご愛飲の名水で、しかもどんどんわいてくる。
浅野は、この水に砂糖を入れ「冷やっこい」と大声で叫びながら東京の町を売り歩いたという。
これで一月で12円の儲け、家賃6円を引いてもかなりのお金が手元に残った。

稲盛和夫
京セラの創業も出資者のひとりである宮木電機の倉庫であった。

鈴木敏文
セブンイレブンの創業は、イトーヨーカ堂の隅の一室に社長の鈴木と副社長の清水の机2つからスタートしたと言う。

安藤百福
安藤は著書の中で、新規の仕事は途中で挫折するリスクも大きいのだから、既存の設備を利用し、ありあわせで間に合わせる工夫、努力をするのがよいといっている。
実際日清食品の工場もありあわせの倉庫からスタートしている。

井深大盛田昭夫
ソニーのスタート東京通信工業も白木屋デパート(昔の東急日本橋店、現在は閉店)の3Fの開きスペースを間借りしてスタートした。

▼ まとめ

お金がないのなら知恵をしぼって、設備に工夫を加えることが必要である。お客様に対する見栄えも工夫次第でどのようにでも飾ることができる。

 

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