どん底−逆境への心構え

起業家に逆境の処し方を学ぶ
あなたは、今逆境の只中ですか?
これをご覧になっている時点で、逆境に立たされている方も多いと思います。
今回は逆境をテーマに偉大な起業家から処し方を学んでみたいと思います。

▼ 実例

松下幸之助
松下は、戦後間もない頃苦境に立たされたことがある。
松下電器産業はGHQから財閥指定を受け、役員は追放、従業員も散っていった。
生活費にも困り、「物品税の滞納王」と呼ばれたこともある。
会社は見事に再建され、一大家電メーカーへと飛躍をとげたが、後に松下著書「実践経営哲学」の中でこう語っている。
「どんな成功をした人でも失敗したことがない人はいない。困難に直面したら、それを直視して原因を静かに考えるべきだ。原因は大概自分にある。それを悟ることこそが、以後の成長には不可欠である。

根津嘉一郎
「相場師」根津が実業界へ転進するきっかけになったのが、株の大暴落である。
貯金を吐き出してもニッチもサッチも行かなくなり、ついには血尿を見るようにまでなる。
しかし、後に福沢桃介(福沢諭吉の娘婿、実業家)が語ったところによると、
「莫大な借金をかかえているにもかかわらず、根津さんは泰然自若として、実に立派で偉かった。この人なら必ず再起して大いに活躍するだろう、と思った。」

堤康次郎
箱根や軽井沢そして国立と土地開発を手広くしすぎ、昭和のはじめの堤は、破産寸前だったという。
今の西武グループからは想像もつかないことである。
しかし、堤は机の蓋の裏にある破産申告書や内容証明(しかも気が遠くなるような金額!)を見せながら、
「このワシだって、ざっと500万坪の土地を持っているのだから、坪1円で売れればこんな借金へのかっぱよ」と大笑したという。

安藤百福
安藤は周囲のすすめで信用組合の専務理事になったことがあるが、業務をまかせっきりにしたこともたたり、間もなく信用組合は破綻し、財産を全て失ってしまった。
成功者から無一文、辛い日々が続いた。
しかし、安藤は間もなくさばさばした気分になったという。
「失ったのは、財産だけではないか。」
その分だけ経験が血や肉となって見についている、そう考えると勇気が沸いてきたという。
この立ち直り後即席めんに賭けることに目ざめたという。

本田宗一郎
本田は何度となく逆境に立たされ、それを克服してきた。
まだ小さなバイクメーカーだったホンダが技術水準をあげ、輸出できるような二輪車を製造するため、3、4億もする設備を買い込み、資金繰りが苦しくなったときがある。
「本田もあれでおしまいだ。バカなことやったものだ。」人々は口々にそう言った。
だが、苦しみに耐えながら、やがて「品物をよくして輸出振興を」という本田の読みは的中した。
やがて、ホンダのバイクは席巻するのである。
本田は、著書「俺の考え」の中で、「逆境に立っているのは、外部要因か内部要因かきちんと反省し、その原因を徹底的に手術することこそが大事である。」と言っている。

松永安左エ門
松永が電力王として君臨するまでには何度となく紆余曲折があった。
会社の破産、相場の失敗、贈賄事件を起こし拘留、死線をさまよう病気・・・そのたびに這い上がって「電力の鬼」という異名をとる。
33歳のとき株相場に失敗で破産、しかも自宅が全焼してしまったことがある。
このとき松永は本を読み修養する生活に入ることに決めた。
そして「今までは金儲けとあらば手段を選ばずやってきた。過去の失敗は自らの人間の欠陥がなすもの。」という悟りを得たという。

五島慶太
五島も東京市長選挙での贈賄事件で嫌疑をかけられ、獄中の人となったことがある。
このときの生活は最低で、よほど肝のすわった人間でないと悶死するような状態だったという。
しかし五島は獄中で悟りを開く。
「人間は知(知識)と行(行動)だけではダメだ。信念がなくてはダメなのだ。」
晴れて無罪確定となったとき、その祝賀会でもらった祝い金は、学校設立の費用に向けられた。

浅野総一郎
浅野は28歳のとき、火事で全財産を失ったことがある。
残るものはそれまでの信用だけであった。
しかし信用の絶大さを思い知る。
見舞い品はあちらこちらから届いたり、無担保で商品を仕入れさせてもらえたり、それまでのお客も次々と注文をくれたりと、懸命の働きも手伝って今まで以上に浅野の商売は繁盛した。

渋沢栄一
渋沢は著書「自己開発の道」で次のように述べている。
「およそきちんと努力していれば逆境などというものはなく、逆境は人が作り出したものである。
従って、逆境などというものは絶対にないと言いたい。
しかし、どんなに才能があり、勤勉であっても失敗するときもある。これこそ真の逆境と言いたい。
この逆境に臨んでは、天命であるとあきらめて来るべき運命を信じたゆまず屈折せず努力すればいい。

▼ まとめ

偉大な起業家にも誰にも必ず失敗はある。ここで偉大な起業家とそうでない人を分けるポイントは、その失敗にどう真正面から向き合い、自己を見つめなおし今後の飛躍の糧にしてきたかである。

 

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