決断−物事を決める姿勢

「決断業」社長の心得
藤田田は社長を「決断業」と言っている。
トップは自ら決断し、自ら責任をとる。だからこそ決断は重大であるし、会社の命運さえ左右しかねない。
偉大な起業家の発言から決断の心得をまとめてみたい。

▼ 実例

藤田田
藤田田は「即断即決」をモットーとしている。1週間以上たった書類は全て捨てているという。
そして、60%正しいと考えたら即実行している。
100%正しくなるときまで待っていたらチャンスが逃げるからである。
また、間違っていたらすぐ修正する。朝令暮改も何とも思わない。
藤田は判断の基準を「動物的なカン」に置いているという。
これはひとつひとつの現象には人がかかわっており、その現象の原因を本質的なものまでつきつめることを言っている。

柳井正
柳井もまた「即断即決」。
著書「一勝九敗」の中で「そうしないとこなしきれない。達成できそうもない目標を立てやりこなしていこうと決めたので、実行の速さは当然と言えば当然かもしれない。」と言っている。
柳井の経営するファ−ストリテイリングのファースト(FAST)とはスピードを武器に経営することを表明したものである。

鈴木敏文
鈴木も、朝令暮改をいとわない。
「面子にこだわって決定を変えないほうが、状況変化に対する硬直化を招きかえって問題だ。」
変化に対応するため、仮説を立て、それを検証するためにそれをすぐ実行している。

安藤百福
安藤もまた「朝令暮改は恥ではなく、柔軟さと勇気の証明である。」と言っている。
少しでもよい手段、方向が見つかったのであれば即刻変更したらいいと言っている。

松下幸之助
松下は著書「実践経営哲学」の中で、「決断をするときは真実をみることが大切」と言っている。
「個人の欲を持ってものをみないで、心を空にしてものをみる素直な心が必要で、世間の評判や名誉を気にせずとらわれのない心を持てば真実の姿がみえてくる」と言っている。

稲盛和夫
稲盛は物事を判断する上で「原理原則を基準にしている」という。
人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人として正しいことを貫いていけば、時間、空間を通じてどんな環境でも通じるし、未知の世界に飛び込んでも決してうろたえないからである。

根津嘉一郎
根津が実業界に踏み出す以前、郷里の山梨で村長をしていた頃、笛吹川という川が氾濫し、堤防が決壊寸前になった時のことである。
根津はここで果断な決断をする。
なんと、近くの鎮守の森のご神木を三、四本伐採して決壊寸前の堤防までもっていき、防ぎとめようとしたのだ。
ご神木と言えば、伐採には官庁許可がいるし、無断伐採となれば犯罪である。
それに、ご神木をきったことでどんな天罰がふりかかるかわからない。
しかし、根津はこう考えた。
お宮の木で大勢の土地や田畑や人命が救われるのならば、三、四本の大木を切り倒したところで神罰があるわけはない。あとは自分が責任をとればいい。」
この大木のおかげで、決壊を防ぎとめ、住民を水害から救った。

▼ まとめ

周りの評判とか名誉といった私心をまじえず、物事の本質、原理原則をもとに判断し、正しいと思った事は即決断をくだす。
間違っていても、面子などにこだわらず即刻修正を加える。

 

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