アイデア−起業家のひらめき

起業家のひらめく瞬間はどのようなときか?
すぐれた事業には、後に誰もが先見性に驚くようなすぐれたアイデアが存在する。
本当に起業家はアイデアの天才なのだろうか?

▼ 実例

本田宗一郎
天才技術者と言われた本田だが、著書「得手に帆をあげて」でこう言っている。
「人は次々にアイデアが飛び出すように思っているが、そんなことはない。人並み外れた好奇心と、努力と、反省のライフサイクルをフル回転させて、へとへとになりながらアイデアを見つけ出しているのが現状だ。」
忙しい人の苦し紛れの知恵が創意発見工夫で進歩するのだという。

井深大
同じく天才技術者と言われ、ソニーで数々の革新製品を世に送り出していった井深は、
・研究者が発明にかける努力のウェイトは1。
・使えるか使えないのか見分けるウェイトは10。
・実用化には100のウェイトが必要。

と言っている。

小林一三
小林は著書の中で、豊臣秀吉の「アイデア」として有名な、織田信長の草履を温めた話を引用してこう言っている。
「決してあれは上手に信長に取り入って、天下を取ろうとしたのではなく、草履取りという自分の仕事にベストを尽くした結果だ。」と。
小林は日本初のターミナルデパート、宝塚、宅地分譲などアイデアマンと言われたが、これらは日々の綿密な計画の延長線の中で生まれたものである。

安藤百福
安藤もチキンラーメン、カップヌードルなど数々のヒット商品を生んだが、チキンラーメンを作った瞬間を問われても、「決定的瞬間はなく、粉まみれになり、一つ一つ試み捨てていく日々であった」としか言えないという。
毎日の失敗の中で、弱気にならず1ミリ1ミリ前進していった結果だという。

鈴木敏文
鈴木もセブンイレブンで数限りない斬新なアイデアを生み出したが、「あくまでお客様の立場に立って、どこまで矛盾を追い込んでいけるか、これが本来のイノベーションである。」と言っている。

▼ まとめ

アイデアマンは、決して次々にアイデアが頭の中から沸き出てきたわけではない。
アイデアは日々の苦闘、ベストを尽くす態度、苦しまぎれの中から生まれるものである。

 

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