信用−信用についての語録

起業家が「信用」について語る。
起業家の成功の共通点を知るべく、あらゆる起業家の自伝、評伝の研究をしてみると、その著述の随所に「信用」という二文字を見つけることがことができる。
ビジネスの成功に信用が絶対不可欠な条件であることの証左であろう。
起業家に「信用とは?」と尋ねたら、何と答えるか。
今回は著述の中から、信用についての起業家の語録をひろってみる。

▼ 実例 その1 <お金に関する信用>

松本清 ・・・「繰り返しは信用なり。同じことを何回も言え」
借りた金は支払日の一日前に返すこと。これを繰り返すうちに信用というプラスを生み、次に借りやすくなる。

増田宗昭 ・・・「毎月の経営報告、どんぴしゃりの予測」
銀行に信用を作るには、毎月必ず銀行に顔を出し、出店状況、売上、利益そして来月の計画、予測を説明する。翌月行ったとき先月の予測がどんぴしゃりだったと話す。
これを繰り返すうちに、銀行の担当者も私のいっていることが寸分違わないのだから当然信用してもいいような気分になる。

本田宗一郎 ・・・「人間は信用とカネの天秤棒をかつぐ」
我々は信用と金の両方がほしい。
金が欲しければ信用を先にとることの方が先だと思う。
金を先にすると信用を落とし、信用が落ちれば金も落とされるからだ。

藤田田 ・・・「仕事で大切なことをあげるとしたらそれは信用だ」
私は、25歳のときから毎月5万円ずつ、今は15万円ずつ必ず貯金しており、どんな誘惑にかられようともこれを続けてきた。自分が一度いったことは守ることで、銀行の信用も得た。

▼ 実例 その2 <商売に関する信用>

小林一三 ・・・「商売繁盛の秘訣は信用にあり」
信用を得る道は誠実にお客本位に行うこと。
新鮮なものを豊富に、他よりも安価に提供し、お客第一義として勉強すれば、お客は自然に信用し、安心してその店に集まってくる。信用は学問で得られるものではない。
要するにまじめに誠心誠意働けば、自然と信用を博し、成功するものだ。
鈴木敏文 ・・・「信用は妥協のない取り組みを毎日努力して続けた結果」
老舗ほど信用を大切にする。
たとえば一日につくる個数を決めて、それ以上売れば儲かることがわかっていても、品質を落とすことになるので売らないのだ。
私達も商売の質を落とさないことには妥協のない取り組みをしているつもりだ。
そういった努力の結果として、お客様がわざわざ買いに来てくださるというストアロイヤルティが生まれるのだ。
伊藤雅俊 ・・・「信用は誠実さから生まれるものだ」
お客様からだけでなくお取引様からも信用をいただかなければ、会社は成り立たない。
私達が生きていくのに必要な水や空気の存在価値を忘れているように、とかくこの誠実さを忘れがちだ。
安藤百福 ・・・「あの会社、あの経営者の製品なら安心だという信用を得よう」
消費者が食品を選ぶ基準は、高品質とともに安全性と健康が選択の目安になる。
「あの会社、あの経営者の製品ならば安心だ」という信用が大切である。
松下幸之助 ・・・「日々新しい信用を生み出していくことが大事」
過去の信用はもちろん大切だが、営々と築き上げてきた信用もこわれるときは一朝にしてこわれてしまう。
だから、過去の暖簾、信用で商売ができるとは考えず、お客様の求めるものを日々キャッチし、それに刻々とこたえていく、日々新しい信用を生み出していくことが大事だ。 <松下幸之助「経営心得帖」より一部引用>
稲盛和夫 ・・・「信用を超えて尊敬されること」
自分を信じてくれるものが増えれば、自然と儲けも増える。
しかし信用はベースであり、商いをする人間が持つ徳性や人徳があれば、価格の問題でなく買って頂けるようになる。

▼ まとめ

当たり前のことだが信用は一日ではできない。
信用は、日々の誠実な取引、行動の積み重ねで地道に築き上げるものである。
こうして日々培った信用が商売の繁盛、そしていざというときの危機脱出を約束する。

 

このページはあなたのお役に立ちましたか?
もしお役に立てたようでしたら、日本を元気にするため、知り合いにも教えてあげてください。

   

2003(c)Success Institute Japan All Rights Reserved